要点まとめ
- 1圧縮=机の上を、まとめメモ1枚にすること。
便利だけど、決めた理由・禁止語・やらない条件のような細かい所が落ちる。
- 2園長の仕組みは「3つの層+2つの見張り」。
機械が原文を抜き書きし、AI が引き継ぎ書を書き、圧縮の直後に自動で差し込む。ルールだけに頼らず、フックで"忘れにくい"形にしてある。
- 3同じ仕組みを、ZIP を1つ落として一言貼るだけで入れられる。
第8章で配っています。
圧縮されても、続きから。
Claude Code の引き継ぎ書
わかる
- 1 圧縮ってなに?
- 2 要約で落ちるもの
- 3 仕組みの全体像
- 4 圧縮の瞬間
見る
- 5 引き継ぎ書の中身
- 6 失敗から育った
- 7 いまの状態
入れる
- 8 一言で導入キット
- 9 使い方のコツ
机がいっぱいでも 仕事は途切れにくい
ことばの準備
この資料によく出ることばです。わからなくなったら、ここに戻ってきてください。
| ことば | この資料での意味 |
|---|---|
| 机(コンテキスト) | AI が一度に見られる量。やり取りが積もっていく |
| トークン | AI が読み書きする量の単位 |
| 閾値(しきいち) | 自動圧縮が始まる、机の埋まり具合の目安 |
| 会話(セッション) | 1本のやり取り。同じフォルダで何本でも開ける |
| 作業場所(フォルダ/プロジェクト) | Claude Code を開いた場所。会話とは別物 |
| フック | 決まったタイミングで必ず動く小さなプログラム |
| 節目 | コミット(変更の保存)・プッシュ(送信)・デプロイ(公開)など、作業の状態が変わった区切り |
| §0・§8 | 引き継ぎ書の0番目と8番目の節(第5章) |
| 生ログ | 会話の記録。PC の中にファイルで残る(既定では30日たつと自動で消える) |
圧縮ってなに?
机がいっぱいになると、Claude Code は机の上を"まとめメモ1枚"に置き換えて仕事を続けます。これが圧縮(コンパクト)です。
起き方は2つ
自分で打つ /compact
好きなタイミングで圧縮できます。後ろに「何を優先して残すか」の指示を添えられます。
/compact 未完のタスクを優先して
自動圧縮
机がいっぱいに近づくと、自動で実行されます。
予告なく来ます。作業の途中でも関係ありません。
似ている操作との違い
| 操作 | 何が起きる |
|---|---|
/compact | 机の上をまとめメモ1枚にする。同じ会話が続く |
| 自動圧縮 | 同じことが勝手に起きる |
/clear | 机を空にする。続きは残らない |
| 新しい会話 | 横の空いた机に移る |
/resume | 前の会話の机に戻る(claude --continue でも再開できる) |
埋まり具合を見る
/context と打つと、机の使い方が色つきの表で出ます。デスクトップアプリなら、入力欄の近くに % が出ます。
以前の勉強会で「CLAUDE.md を短くする」ことも圧縮と呼びましたが、今日お話しするのは会話の圧縮のことです。
圧縮ってなに?
机の上を まとめメモ1枚に
机=AIが一度に見られる量
やり取りが 机に積もる
机がいっぱい
まとめメモ1枚に 置き換え
細かい所が 消える
/compact
自分で圧縮
自動
いっぱいで勝手に
/clear
机を空にする
新しい会話
横の机に移る
埋まり具合は /context で見る
要約で落ちるもの
圧縮のまとめメモは Claude Code 自身が作ります。全部が消えるわけではありません。ファイル名や頼んだことの一覧はかなり残りますし、プロジェクト直下の CLAUDE.md は圧縮の後に読み直されます(公式)。
でも、会話の中だけで伝えたことは消えることがあります。公式も「残したい指示は CLAUDE.md に」と案内しています。
要約の側に無かったもの
園長が実際の要約と引き継ぎ書を見比べて、要約には残っていなかったものです。例は架空の案件(ブログ記事10本を書いて公開する仕事)に置き換えています。
| 落ちたもの | 架空の案件だと… |
|---|---|
| 1 決めた理由 | 「1本2,000字」は残るが、「スマホで読み切れる長さだから」が消える。次に長さを調整する時、判断の軸が無い |
| 2 数字の決めごと | 「記事10本」か「10本以上」か、公開済みを「3本」と書くか。表記を決めた経緯が消え、次の記事で数字がぶれる |
| 3 好みと禁止語 | 「専門用語は1行で言い換える」「上から目線にしない」が消え、トーンが元に戻る |
| 4 やらない条件 | 「OK が出るまで公開しない」が消え、下書きを勝手に公開する事故の芽になる |
| 5 やり残しの数 | 9件の依頼のうち何件を反映したか、確かめようがない |
圧縮後の AI は、まとめメモだけを渡された初日のアルバイトです。だから、作業の続きを書いた引き継ぎ書を渡します。
もうやっている方、そのやり方は正しいです。残る穴は2つだけ。①作るタイミングを人が覚えていないといけない ②自動圧縮は予告なくやってくる。園長の仕組みはこの2つを埋めました。
要約で落ちる 5つのもの
要約メモ
- 1 決めた理由
- 2 数字の決めごと
- 3 好みと禁止語
- 4 やらない条件
- 5 やり残しの数
引き継ぎ書
- 1 決めた理由
- 2 数字の決めごと
- 3 好みと禁止語
- 4 やらない条件
- 5 やり残しの数
「1本2,000字」は残る
「スマホで読める長さだから」が消える
落ちると 同じ相談を やり直す
仕組みの全体像
園長の仕組みは「ルール・手順書・自動の仕掛け」の3点セットでできています。
| 3点セット | 正体 | 役目 |
|---|---|---|
| ルール | 全体の CLAUDE.md の1節 | AI に「こういう時は引き継ぎ書を書く」と約束させる |
| 手順書 | スキル | 書き方の型と手順 |
| 自動の仕掛け | フック5本 | 決まったタイミングで必ず動く |
ルールだけだと、AI は忘れたり後回しにしたりします。だから見張りで"書き忘れにくい"仕組みにしています。
5つの箱(第2回資料の4つの箱+引き継ぎ書)
| 箱 | 誰が書く | いつ読まれる | 何を入れる |
|---|---|---|---|
| CLAUDE.md | 人が指示して書く | 毎回 | いつでも守ること |
| スキル | 手順書 | その作業の時 | 決まった作業の手順 |
| メモリ | AI が自分で書く | 同じフォルダの次の会話でも | 作業中の気づき |
| フック | 機械 | 決まったタイミングで必ず | 機械的な記録やチェック |
| 引き継ぎ書今日の主役 | AI が書く | 圧縮・再開の直後に、その会話だけ | その会話の続きをするための全部 |
メモリは"そのフォルダの仕事"の気づき、引き継ぎ書は"その会話"の続きです。
3つの層+2つの見張り
抜き書き
機械が、生ログから人間の発話の原文(AI の作業中に送った発言も含めて)・使った道具・触ったファイル・出てきたURLを抜き出します。AI を使わないので、言い回しが変わりません。圧縮の直前に自動で保存します。
引き継ぎ書
AI が書く10節の文書です。節目ごとに書き直します。
表紙の差し込み
圧縮・再開の直後に、その会話の引き継ぎ書の §0 と §8 の抜粋+直近の発話を、最大約9,400字で差し込みます。「全文を読んでから答えて」と指示します。
催促
話しかけた時、引き継ぎ書が古ければ「書き直して」を1行差し込みます。
ストップ
AI が返事を終える時、節目の後なのに書き直していなければ待ったをかけます。1回の返事で1回だけです。
フックが動く5つのタイミング
| いつ | 何をする |
|---|---|
| 圧縮の直前PreCompact | 抜き書きを保存する |
| 圧縮の直後PostCompact | Claude Code 自身の要約を、控えとして保存する(何が落ちたかを後で確かめる用) |
| 圧縮・再開の直後SessionStart | 表紙を差し込む |
| 話しかけた時UserPromptSubmit | 引き継ぎ書が古ければ催促する |
| AI が返事を終える時Stop | 節目の後なら、書き直すまで待ったをかける |
引き継ぎの仕組み
3つの層と 2つの見張り
① 抜き書き
- 機械が 会話の原文を抜く
- 圧縮の直前に 自動
② 引き継ぎ書
- AIが 仕事の続きを書く
- 節目ごとに 書き直す
③ 表紙の差し込み
- 圧縮の直後に 自動で渡す
- 全文を読ませる
見張り 催促
話しかけた時 古ければ一言
見張り ストップ
節目の後 書くまで終われない
ルール CLAUDE.md
手順書 /handoff
圧縮の瞬間
圧縮の前後で、裏では3段階のことが起きています。
- 1
ふだん
AI は節目ごとに、引き継ぎ書を書き直しておきます。
話しかけた時に引き継ぎ書が古ければ催促が、返事を終える時に節目の後ならストップが働きます。
- 2
圧縮
直前に、フックが抜き書き(会話の原文)を自動で保存します。Claude Code が会話を要約して、まとめメモ1枚にします。
直後に、その要約の控えも保存されます。
- 3
復帰
その会話の表紙(引き継ぎ書の §0 と §8 の抜粋+直近の発話)が差し込まれ、「全文を読んでから答えて」と指示されます。
AI は引き継ぎ書を全部読み、抜き書きは新しい所(末尾)から必要な分だけ読んでから、続きに戻ります。
圧縮直前のフックは、圧縮を止めることはできても、AI に引き継ぎ書を書く時間を与えられません。だから引き継ぎ書は、節目のたびに先に書いておきます。園長がいきなり /compact を打っても続きから戻りやすいのは、このためです。
実寸で見ると
催促や表紙は AI だけが読みます。利用者に見えるのは、AI が引き継ぎ書を読んだり書き直したりする様子だけです。
/resume で前の会話を再開した時も、同じように表紙が差し込まれます。
圧縮の瞬間 裏で起きること
話しかける
古ければ 催促
作業する
節目の後は 返事の前にストップ
引き継ぎ書は 節目ごとに最新
直前 抜き書きを保存
AIが 会話を要約
直後 表紙を差し込む
引き継ぎ書を 全部読む
抜き書きで 原文を確認
続きから 再開
引き継ぎ書の中身
引き継ぎ書は、決まった10の節(見出し)でできています。
| 節 | 書くこと |
|---|---|
| §0 | いま何をしていたか表紙に載る・毎回まるごと書き直す |
| §1 | 全体像 |
| §2 | 決めたこと |
| §3 | 好み・ルール(禁止語も) |
| §4 | 成果物の場所 |
| §5 | やり残し・待ち |
| §6 | 落とし穴 |
| §7 | 原文で残す数字・URL・名前 |
| §8 | 次の一手表紙に載る・毎回まるごと書き直す |
| §9 | 参照 |
書き方のルール
- §0 と §8 は毎回まるごと書き直す(末尾に追記するだけは不可)
- 推測で埋めない
- 数字と URL は原文から写す
- ユーザーの言い回しと禁止語を残す
- 最後に、抜き書きの発話と照合する(「U-n 全N件中N件反映」)
置き場
引き継ぎ書は会話ごとに別ファイルです。作業場所の名前は、git の中ならリポジトリの名前になります。
# Mac ~/.claude/handoffs/<作業場所の名前>/<会話IDの先頭8桁>-latest.md # Windows C:\Users\<名前>\.claude\handoffs\<作業場所の名前>\<会話IDの先頭8桁>-latest.md
引き継ぎ書の 10の節
0 いま何をしていたか
1 全体像
2 決めたこと
3 好み・ルール
4 成果物の場所
5 やり残し
6 落とし穴
7 数字・URL
8 次の一手
9 参照
表紙に載るのは 0と8
0と8は 毎回まるごと書き直す
追記だけは ダメ
見本を見てみる
中身は架空の案件です。形は本物と同じです。
引き継ぎ書(AI が書く10節の文書)
置き場の例: ~/.claude/handoffs/my-blog/
# 引き継ぎ書 — ブログ記事10本の下書きと公開(2026-09-27・session a1b2c3d4) ## 0. いま何をしていたか - 記事10本のうち 01〜03 を公開済み(git push → 本番反映を curl で確認済み)。04〜07 は下書きまで完了、08〜10 は未着手。 - ユーザーの最後の発話(原文): 「04の見出し、もうちょい柔らかくして。"徹底解説"って言葉は使わんといて」 - 自分の最後の返答/約束: 「04 の見出しを3案出して、選んでもらってから差し替えます」→ まだ3案を出していない。 - 公開は「1本ずつ、ユーザーが OK と言ったものだけ」。04 はまだ OK が出ていない。 ## 1. 案件の全体像 - 個人ブログ(静的サイト)に、初心者向けAI活用の記事を10本そろえる。ソースは ~/dev/my-blog/posts/*.md、公開は git push で自動デプロイ。 - このセッションの範囲: 2026-09-25〜。構成案(10本のタイトル一覧)はこのセッションで確定した。 ## 2. 決定事項 - 2026-09-25 ユーザー: 1本 2,000〜2,500字。理由「スマホで読み切れる長さ」。 - 2026-09-26 ユーザー: 公開順は 01→10 の番号順ではなく「反応が取れそうなもの(03・01・02)から」。 - 2026-09-26 訂正: アイキャッチ画像は各記事1枚 → 旧「全記事で共通1枚」から変更(「一覧で見分けがつかん」)。 ## 3. ユーザーの好み・作業ルール - 言い回し: 「専門用語は出したら1行で言い換える」「上から目線にせんといて」。 - 禁止語: 「徹底解説」「完全ガイド」「誰でも簡単に」(言い換え例:「徹底解説」→「ここだけ押さえる」)。 - 公開前に必ずスマホ幅(375px)のスクショを見せる。 ## 4. 成果物と置き場所 - 下書き: ~/dev/my-blog/posts/04-*.md 〜 07-*.md(未公開・未コミット) - 公開済み: 01・02・03(main に push 済み。https://my-blog-example.pages.dev/posts/03/ ほか) - タイトル一覧: ~/dev/my-blog/PLAN.md(10本の順番と状態の正本) ## 5. 未完・保留・待ち - 04 の見出し3案 → ユーザーの選択待ち(出すのは自分。まだ出していない)。 - 05〜07: ユーザーの読み確認待ち。OK が出るまで公開しない。 - 08〜10: 未着手。着手条件=04 の見出しの方向が決まってから(トーンをそろえるため)。 ## 6. 環境の落とし穴と回避策 - ビルドは `npm run build`。画像が 1MB を超えるとデプロイが失敗する → 事前に 1600px 幅へ縮小。 - 下書きに `draft: true` が残っていると公開しても一覧に出ない(03 で一度起きた)。 ## 7. 原文で残す固有名詞・数値・URL・ID - 10本/公開済み 3本/下書き 4本(04〜07)/未着手 3本(08〜10) - 1本 2,000〜2,500字/スクショ幅 375px/画像上限 1MB - https://my-blog-example.pages.dev/posts/01/ ・/02/ ・/03/ ## 8. 次の一手 1. 04 の見出し3案を出す(禁止語チェック込み)→ 選んでもらう 2. 選ばれた方向に 05〜07 の見出しもそろえ、375px のスクショを見せる 3. OK が出た記事だけ `draft: false` → git push → curl で本番確認 → 本書 §0/§8 を書き直す 4. 08〜10 の下書きに着手 ## 9. 参照 - 機械ダイジェスト: ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-…-digest.md - 記事の正本一覧: ~/dev/my-blog/PLAN.md U-n 全9件中9件反映
抜き書き(機械ダイジェスト)の一部
「U-n」が人間の発話の原文。機械が生ログから作るので、言い回しが変わりません。
# セッション・ダイジェスト(機械抽出・LLM不使用) - 生ログ: `/Users/you/.claude/projects/-Users-you-dev-my-blog/a1b2c3d4-….jsonl` - 期間: 2026-09-25 01:10Z 〜 2026-09-27 03:42Z / 人間の発話 9 件 / アシスタントのターン 41 / 過去の圧縮 0 回 - 読み方: 「U-n」が人間の発話(原文)。直後の「A」はアシスタントの要点(先頭900字)と使ったツール。**最後の16ターンは長めに残している**。 ## 触ったファイル(Write/Edit 回数) - /Users/you/dev/my-blog/posts/04-first-prompt.md ×3 - /Users/you/dev/my-blog/PLAN.md ×2 ## 出てきたURL(登場回数・上位80) - https://my-blog-example.pages.dev/posts/03/ ×2 ## 時系列ダイジェスト ### U-8 2026-09-27 03:30Z 03から先に出して。反応見たいから > A: 03 を公開しました。本番URLで表示を確認済みです。 - tools: Bash: Build the site / Bash: Push to main / Bash: Fetch the live page and compare ### U-9 2026-09-27 03:41Z 04の見出し、もうちょい柔らかくして。"徹底解説"って言葉は使わんといて > A: 04 の見出しを3案出して、選んでもらってから差し替えます。 - tools: Read /Users/you/dev/my-blog/posts/04-first-prompt.md
圧縮の直後に差し込まれる「表紙」
§0 と §8 の抜粋+直近の発話+「全文を読んでから答えて」の指示。AI だけが読みます。
<handoff-context source="compact" project="my-blog" session="a1b2c3d4-…"> 【圧縮復帰】このメッセージは SessionStart(compact) フックが自動注入した、**このセッション(a1b2c3d4-…)の**"表紙"です。会話を**何事もなかったように続ける**ために、返答する前に必ず次の順で読んでください: 1. Read ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-latest.md ← このセッションの引き継ぎ書(narrative)全文 2. Read ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-…-digest.md ← 機械ダイジェスト(人間の発話の原文+ツール履歴。末尾ほど新しい。長ければ末尾から offset で) ## 0. いま何をしていたか - 記事10本のうち 01〜03 を公開済み。04〜07 は下書きまで完了、08〜10 は未着手。 - ユーザーの最後の発話(原文): 「04の見出し、もうちょい柔らかくして。"徹底解説"って言葉は使わんといて」 … ## 8. 次の一手 1. 04 の見出し3案を出す(禁止語チェック込み)→ 選んでもらう … ## 直近のユーザー発話(原文・機械ダイジェストより) ### U-9 2026-09-27 03:41Z 04の見出し、もうちょい柔らかくして。"徹底解説"って言葉は使わんといて ## 復帰の作法 - 上のファイルを読み終えるまで、要約だけで答えない。数字・URL・パスは引き継ぎ書と実測から - 「未完・保留・待ち」と「次の一手」を再確認してから、直近のユーザー発話の続きに戻る </handoff-context>
見本の中の「ターン」は、AI の動作(返事や道具の使用)の回数のことです。
催促(話しかけた時に AI へ1行差し込まれる)
[handoff-nudge] このセッション(a1b2c3d4)の引き継ぎ書が古い(14ターン前: ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-latest.md)。この返答の中で(節目シグナルがある時は区切りを待たず**今すぐ**) /handoffの手順で a1b2c3d4-latest.md を書く/更新してから続けること。**末尾に「追記」を足すだけは不可 — §0(いま何をしていたか)と §8(次の一手)を今の状態に書き直す**。共有の latest.md や他セッションの引き継ぎ書には書かない。圧縮はいつ来てもよい状態を保つ。
ストップ(AI が返事を終えようとした時に止める)
[handoff-stop-gate] このセッション(a1b2c3d4)の引き継ぎ書が古い(3ターン前: ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-latest.md。節目シグナル検出: git push origin main)。返答を終える前に /handoffの手順で a1b2c3d4-latest.md を更新すること(§0「いま何をしていたか」と §8「次の一手」を今の状態に書き直す。末尾追記だけは不可。共有 latest.md・他セッションのファイルには書かない)。書き終えたらそのまま返答を終えてよい(この停止は1ターンに1回だけ)。
失敗から育った
この仕組みは、最初から今の形だったわけではありません。2週間で何度も失敗し、そのたびに仕組みに焼き込んで育ちました。
コンパクトに任せると漏れが落ちる園長(9月9日・この仕組みが生まれた日の一言)
日付は直した日です。
- 9/9起きたこと要約で、言い回し・数字・URL・保留の理由が消える直したこと誕生(抜き書き+引き継ぎ書+表紙の差し込み+催促)。同じ日にスキル化
- 9/14起きたこと同じフォルダの別の会話を再開したら、別の案件の引き継ぎ書が差し込まれた(1枚を皆で上書きしていた)直したこと会話ごとに別ファイル+持ち主の判定。他の会話の分は差し込まない
- 9/14起きたことWindows で圧縮前の保存が毎回失敗していた(パスの組み立てミス。誰も気づいていなかった)直したこと修正+「初回の圧縮後に記録を確認する」を手順に
- 9/16起きたこと催促のたびに末尾へ追記を13回重ね、「いま何を」が2日前のまま。再開時に古い状況が差し込まれた直したこと§0 と §8 は毎回まるごと書き直す
- 9/16起きたことコミット直後にいきなり
/compact。引き継ぎ書がコミット前のまま圧縮された直したこと節目(コミット・デプロイ等)の後はすぐ催促。「状態を変えたら最後の返事の前に書き直す」をルールに - 9/18起きたこと報告の後に書き直さず放置。数日後の次の発話で自動圧縮(9/17・Windows。抜き書きは保存されたが、引き継ぎ書が古かった)。催促は話しかけた時にしか出ないので間に合わなかった直したことストップの見張り(書き直すまで返事を終われない)
- 9/22起きたことサブフォルダに移ると、置き場が分かれた直したこと置き場の名前をリポジトリ名に固定
失敗したら、謝るより原因を仕組みに焼き込む。第2回でお話ししたことと同じです。
失敗から育った 2週間
いまの状態
2026年9月27日時点・園長の PC(Mac と Windows)の記録。枚数・会話の記録の数は Mac の分
設定
| 項目 | 園長の環境 |
|---|---|
| 自動圧縮の閾値 | 80万トークン(机の大きさ100万トークンの80%)。未設定なら(机の大きさ100万トークンのモデルで)約96万7千トークン付近。 注意: 設定ファイルを直接書き換えた場合、開きっぱなしの会話には効かず、80万を超えても圧縮されなかった例が2件あります。変えるなら /autocompact 800k(今の会話にも効く)。設定後に新しく開いた会話で80万付近の自動圧縮が起きた記録は、まだありません。 |
| 会話の記録の保存期間 | 365日(既定は30日) |
| 催促の目安 | 引き継ぎ書を書いた後に、AI の動作(返事や道具の使用の1回1回)が12回ほど進んだら(長めの依頼1回で届くこともあります)。節目(コミット・プッシュ・デプロイ・一時フォルダ以外への書き込み5回など)があれば、回数に関係なくすぐ |
| ストップの目安 | 節目の後、または催促の目安の2倍(AI の動作で24回ほど)以上進んだ時。それ未満では止めない |
| 圧縮にかかる時間 | 2〜5分ほど(園長の記録。導入後の2回は 111秒・118秒)。その間は待つ |
実際の働きぶり
| 仕掛け | 様子 |
|---|---|
| ストップの「待った」 | 9月の会話の書き出しで、Mac 約30回・Windows 約60回(概数)。多くは「まだ引き継ぎ書を書いていない会話で、コミットや書き込みをした時」 |
| 催促と表紙 | 画面には出ず、AI だけが読む。利用者が気づくのは、AI が引き継ぎ書を書き直している様子だけ |
圧縮はめったに起きていません。つまりこの仕組みはふだんは静かな保険です。それでも引き継ぎ書は会話ごとに書かれているので、再開や「前の続き」にそのまま使えます。
引き継ぎ書の枚数・会話の記録の数は Mac の分です(Windows の PC は記録が別にあります)。会話の記録は Mac に278本(手分けさせた子エージェントの記録を合わせて約3GB。6月10日以降)残っています。
いまの状態
2026年9月27日時点設定3か所 すべて配線済み
会話ごとに 1枚ずつ
10の節で まとめる
3回とも 抜き書きを保存
圧縮で まとめメモ1枚に
仕掛け自体は 一瞬
ふだんは 静かな保険
オートコンパクトだけと比べると
オートコンパクト(自動圧縮)も、自分で打つ /compact も、会話を要約に置き換える点は同じです。この仕組みは、その要約を置き換えるものではなく、足すものです。足すとどれくらい違うのか、園長の本物の圧縮2回(どちらも /compact)で数えました。
圧縮の前の会話から「続きの作業に必要な事実」を先に選び(1回目40件・2回目37件)、要約と、引き継ぎ書+抜き書きのそれぞれに正確に残っていたかを数えました。
| 回 | 要約だけ | 引き継ぎ書+抜き書き(ファイルに残った数) |
|---|---|---|
| 1回目 | 22/40 | 40/40 |
| 2回目 | 26/37 | 34/37 |
正確に残った割合は、要約だけで55〜70%、引き継ぎ書+抜き書きで92〜100%でした。圧縮のあと AI が実際に読んだ分で数えると、1回目は 38/40(要約だけなら 22/40)、2回目は 27/37(要約だけとほぼ同じ)でした(2回目に差が出なかった理由は下の「正直なところ」)。
オートコンパクトだけ と比べると
園長の本物の圧縮2回で 数えた
続きに要る事実が 正確に残った数
要約だけ
22/4026/37引き継ぎ書+抜き書き
40/4034/37落ちやすいのは
- 決めた理由
- 数字
- 訂正の経緯
- やらない条件
効く条件
- 引き継ぎ書が 新しいこと
- 会話の全期間を 覆うこと
要約と 二段構え
要約から落ちやすいものは、決めた理由・数字・訂正の経緯(旧→新)・やらない条件(保留の条件)です。1回目は、理由つきの決定は9件中2件、訂正は5件中0件しか要約に残っていませんでした。
自動圧縮の11分前に「あなた自身でブラウザ操作でお願いします」と頼んでいたのに、要約では別の話に書き換わっていました。AI は別の場所に書いてしまい、翌朝やり直しになりました。
- 2回目は、圧縮のあとに AI が実際に読んだ分で比べると差が出ませんでした。途中で別の案件に切り替えて、前の案件の引き継ぎ書が案内されなかったためです(この穴は9月27日に直し、キットにも入れました)。効くのは、引き継ぎ書が会話の最初から最後までを覆っている時です。
- 比べたのは、仕組みを作った同じ会話での手動圧縮2回だけで、引き継ぎ書が新しい有利な条件でした。1回目は、数える事実を抜き書きから選んだので、右の列が甘めに出ています。
- 圧縮する直前の「いまの状態」は、要約の方が正確です(圧縮の瞬間に作られるため)。だから、要約と引き継ぎ書の二段構えにします。
- 圧縮直後の手戻り(言い直し)は、仕組みを入れる前が15回中1回、入れた後が3回中0回。回数が少ないので「必ず効く」とは言えません。
- 引き継ぎ書を書き直す分の使用量がかかります(書き直すたびに会話を読み直す分。園長の記録では全体の約1割、長い会話では15%前後)。
要約は「いまの状態」に強く、引き継ぎ書は「なぜ・どこまで・やらないこと」に強い。両方あるのがいちばん強い形です。
圧縮のとき以外にも効く
圧縮が起きるのはまれです(仕組みを入れてからの本番の圧縮は、Mac で2回・Windows で1回の計3回)。引き継ぎ書は節目ごとに書かれるので、圧縮が無くても次の場面で使えます。
- 何日か空けて再開した時。
/resumeでも表紙が差し込まれます(園長の1例では、5日後の再開も手戻りなしで続きました) - 新しい会話で続きをする時。キットなら「前の続きから」と言います
- いまの状況を確かめたい時。引き継ぎ書を開けば、今の状態と次の一手が分かります
- 同じフォルダで会話を並行している時。会話ごとにファイルが分かれています
- アプリが落ちた・閉じた時。ファイルなので残ります
PC の間では同期されません(引き継ぎ書は ~/.claude の中にあるため)。
一言で導入キット
ここまでの仕組みを、ZIP を1つダウンロードして Claude Code に一言貼るだけで導入できるようにしました。名前は引き継ぎ書キットです。
- 1
ZIP をダウンロード
上のボタンから
handoff-kit.zipを保存します。 - 2
Claude Code に一言貼る
下の一言をコピーして、Claude Code にそのまま貼ります。
Claude Code に貼る一言(1字も変えずに)ダウンロードした handoff-kit.zip を展開して、INSTALL.md のとおりに導入して
- 3
Claude Code を一度終了して開き直す
開き直すと、フック(自動の仕掛け)が動き始めます。
途中で起きること
- AI が中の説明書を読み、変更点を見せて「入れてよいか」を1回だけ聞きます
- コマンドの実行許可を求められたら、許可します
- Node.js が無ければ、AI が入れ方を案内して止まります
- Node.js を入れたら、Claude Code を開き直して同じ一言をもう一度貼ります
- 設定ファイルが読めない・別の引き継ぎの仕組みがすでに入っている時は、何も変わっていません。無理に入れさせず、その画面を Discord に貼ってください
- 「自己テストが FAIL」と出た時は入った状態です。「handoff-kit を外して」と言えば元に戻せます
変わるのは4か所
全部 ~/.claude/(Windows は C:\Users\<名前>\.claude\)の中です。
| 場所 | 何が入る |
|---|---|
| 本体フォルダ | handoff-kit/ |
| スキル | /handoff(引き継ぎ書の書き方の手順書) |
| settings.json | フック5本。入れる前に控え(バックアップ)を自動で作ります。ほかの設定はそのまま |
| 全体用の CLAUDE.md | ~/.claude/CLAUDE.md の末尾に1節。目印つきで、外す時はその節だけ消えます。プロジェクトの CLAUDE.md は触りません |
すでに自分の /handoff を作っている人は、ぶつからないよう /handoff-kit という名前で入ります(導入の最後に AI が伝えます)。その場合は /handoff-kit check のように読み替えてください。
自動圧縮の閾値など、ほかの設定は変えません。変えたい場合は、/autocompact 800k のように自分で入力します。
必要なもの
- Claude Code(デスクトップアプリでも、ターミナルでも)
- Node.js 18 以上(無ければ AI が入れ方を案内して止まります)
- Mac または Windows
入ったかの確認
導入した会話の中で、AI が自己テスト(PASS)まで確かめます。開き直した後に気になる時だけ、新しく始まった会話で /handoff check を1回。過去の長い会話を開き直して確かめるのはやめてください(開き直すだけで使用量を大きく使います)。
開き直し方: デスクトップアプリは、いったん終了して起動し直します。ターミナルは /exit してから claude で起動します。
/handoff check
確認は1回だけ。気になる時だけ、新しく始まった会話で1回。過去の長い会話を開き直して確かめるのはやめてください。
外したくなったら
Claude Code に一言「handoff-kit を外して」と伝えます。書きためた引き継ぎ書は消えません。
handoff-kit を外して
node ~/.claude/handoff-kit/install.mjs --uninstall
まだ引き継ぎ書が1枚も無い会話では、コミットや書き込みだけでは止めません。AI の動作(返事や道具の使用)が24回ほどを超えたら、最初の引き継ぎ書を書かせます(長めの依頼1回で届くこともあります)。ストップが多いと感じたら、ストップだけ外して入れ直せます(--without-stop)。
動作確認は Mac の空の環境で行いました。園長の Windows では元の仕組みが動いています。会員向けのキット版は、Windows 実機ではまだ試していません(Git Bash のある環境を主に想定)。うまくいかない時は Discord でお知らせください。
引き継ぎ書を書き直すたびに、AI が会話を読み直して書く分の使用量がかかります(園長の記録では全体の約1割)。Claude.ai のチャットや Codex には、このキットは入りません(Claude Code 専用)。
一言で導入 引き継ぎ書キット
1 ZIPをダウンロード
handoff-kit.zip
2 Claude Code に一言
ダウンロードした handoff-kit.zip を展開して、
INSTALL.md のとおりに導入して
3 開き直す
Claude Code を一度終了して もう一度開く
変わるのは 4か所
本体フォルダ
スキル /handoff
フック 5本
CLAUDE.md に1節
外すのも 一言
設定は 先に控えを取る
使い方のコツ
導入した後は、ふだんは何もしなくて大丈夫です。
こんな時は、一言
| 言うこと | AI がしてくれること |
|---|---|
| 「引き継ぎ書を更新して」 | 今の状態に書き直してくれる(/handoff でも同じ。コミットやデプロイの後は、AI が自分から書きます) |
| 「圧縮したい」 | 引き継ぎ書を更新して、貼る1行(/compact …)を出してくれる(/handoff compact でも同じ) |
| 「前の続きから」 | 同じ作業場所の引き継ぎ書の候補を出してくれる(/handoff pickup でも同じ) |
| 「引き継ぎの状態を見て」 | 状態を3〜5行で教えてくれる(/handoff check でも同じ) |
気をつけること
区切りのいい所で新しい会話へ
圧縮で延命し続けないようにします。新しい会話では「前の続きから」と言えば、前の会話の引き継ぎ書から再開できます。
他の会話の引き継ぎ書で埋めない
AI にもそう約束させてあります。
確認は1回だけ
過去の長い会話を開き直して確かめないでください。
書き直す分の使用量がかかる(約1割)
引き継ぎ書を書き直すたびに、AI が会話を読み直して書くので、その分の使用量がかかります(園長の記録で全体の約1割)。
使い方のコツ
「圧縮したい」
貼る1行を 出します
「前の続きから」
候補から 選んでください
気をつけること
区切りのいい所で 新しい会話へ
他の会話の引き継ぎ書で 埋めない
確認は 1回だけ
書く分だけ 使用量を少し使う
ふだんは 何もしなくていい
よくある質問
1Claude.ai のチャットや Codex でも使えますか?
いいえ。Claude Code 専用です。Claude.ai のチャットや Codex には、このキットは入りません。
2自分の CLAUDE.md や設定が壊れませんか?
入れる前に控えを取り、キットの分は目印で区切って入れます。外すと、その分だけ消えます。
3使用量はどのくらい増えますか?
書き直すたびに、AI はそれまでの会話を読み直してから引き継ぎ書(1枚の真ん中の値で約4,300字)を書くので、その分の使用量がかかります。園長の記録では、全体の約1割でした(数え方で9〜14%ほど。コミットやデプロイを何度もする長い会話では15%前後になることもあります。サブエージェントの分は数えていません)。
4同じフォルダで会話を2つ開いたら、混ざりませんか?
引き継ぎ書は会話ごとに別ファイルで、差し込まれるのはその会話の分だけです。
5もう自分で引き継ぎ書を作っています
そのやり方は続けて大丈夫です。キットは「作るタイミング」と「圧縮の直後に渡す」動作を自動化します。
6自動で圧縮される前に、早めに圧縮させたい
/context で机の大きさを見て、その8割くらいを /autocompact で指定します(例: 100万なら /autocompact 800k)。今の会話と、これから開く会話の両方に効きます。Claude Code が古いと使えません(v2.1.221 以降)。キットは変えません。
7「待った」が多くて気になる
ストップだけ外して入れ直せます。Claude Code に「handoff-kit をストップなしで入れ直して」と言ってください。
8ダウンロードしたら、ZIP ではなくフォルダになっていた
Safari などは自動で展開することがあります。その時は、ダウンロードフォルダの handoff-kit フォルダを Claude Code の入力欄にドラッグして「このフォルダの INSTALL.md のとおりに導入して」と送信すれば大丈夫です。
9引き継ぎ書を書くせいで、作業に時間がかかりませんか?
少しだけ増えます。園長の Mac の記録(9月9日〜27日・引き継ぎ書を書いた43の会話・約48時間の作業)で数えると、書き直しにかかった時間は作業時間の4〜5%ほどでした(数え方で3.4〜5.2%)。1回は真ん中の値で20秒ほど、9割が1分以内、長くても3分ほどです。コミットやデプロイを何度もする長い会話では、1割前後になることもあります。キットは初心者向けに止める回数を減らしてあるので、この割合はもう少し低くなるはずです(まだ測っていません)。
見張りの仕掛けそのものは、ふだん0.1秒前後です(たまに1秒前後、まれに数秒)。
時間より気にしたいのは使用量です(上の3番)。「待った」で止まるのが気になる時は、上の7番のとおりストップだけ外せます(書き直し自体は、節目ごとに続きます)。
宿題
印はこのブラウザにだけ保存されます。
0/4 できた今日のまとめ
- 1要約は、忘れる。
- 2だから、原文は機械が残し、続きは AI が書き、圧縮の直後に自動で渡す。
- 3机がいっぱいになっても、仕事は途切れにくい。
出典(公式ドキュメント・2026年9月27日時点で確認)
- コマンド一覧(/compact・/context・/clear・/autocompact)
- コンテキストウィンドウ(圧縮で残るもの)
- フック(仕様)
- フック(ガイド・圧縮の後に文脈を入れ直す例)
- モデル設定(自動圧縮の閾値)
- 会話の再開(/resume・claude --continue)
- メモリと CLAUDE.md
数字は園長の PC(Mac と Windows)の記録(2026年9月27日時点)。枚数・会話の記録の数は Mac の分。