ウラチカ 講義資料 | 2026年9月27日時点

圧縮されても、続きから。

Claude Code の「引き継ぎ書」で、長い仕事を途切れにくくする — 園長の仕組みのすべてと、一言で導入できるキット

  • 読む時間 約15分
  • 図解11枚
  • 一言で入れるキットつき

この資料は Claude Code 専用 の話です(Claude.ai のチャットや Codex には、このキットは入りません)

要点まとめ

  1. 1圧縮=机の上を、まとめメモ1枚にすること。

    便利だけど、決めた理由・禁止語・やらない条件のような細かい所が落ちる。

  2. 2園長の仕組みは「3つの層+2つの見張り」。

    機械が原文を抜き書きし、AI が引き継ぎ書を書き、圧縮の直後に自動で差し込む。ルールだけに頼らず、フックで"忘れにくい"形にしてある。

  3. 3同じ仕組みを、ZIP を1つ落として一言貼るだけで入れられる。

    第8章で配っています。

今日の地図:わかる・見る・入れるの3段と9つの章
図解 00今日の地図。「わかる → 見る → 入れる」の3段で進み、最後は一言で入れるキットまで行きます。クリックで拡大

ことばの準備

この資料によく出ることばです。わからなくなったら、ここに戻ってきてください。

ことばこの資料での意味
机(コンテキスト)AI が一度に見られる量。やり取りが積もっていく
トークンAI が読み書きする量の単位
閾値(しきいち)自動圧縮が始まる、机の埋まり具合の目安
会話(セッション)1本のやり取り。同じフォルダで何本でも開ける
作業場所(フォルダ/プロジェクト)Claude Code を開いた場所。会話とは別物
フック決まったタイミングで必ず動く小さなプログラム
節目コミット(変更の保存)・プッシュ(送信)・デプロイ(公開)など、作業の状態が変わった区切り
§0・§8引き継ぎ書の0番目と8番目の節(第5章)
生ログ会話の記録。PC の中にファイルで残る(既定では30日たつと自動で消える)
第1章わかる

圧縮ってなに?

机がいっぱいになると、Claude Code は机の上を"まとめメモ1枚"に置き換えて仕事を続けます。これが圧縮(コンパクト)です。

起き方は2つ

自分で打つ /compact

好きなタイミングで圧縮できます。後ろに「何を優先して残すか」の指示を添えられます。

焦点を添える例

/compact 未完のタスクを優先して

自動圧縮

机がいっぱいに近づくと、自動で実行されます。

予告なく来ます。作業の途中でも関係ありません。

似ている操作との違い

操作何が起きる
/compact机の上をまとめメモ1枚にする。同じ会話が続く
自動圧縮同じことが勝手に起きる
/clear机を空にする。続きは残らない
新しい会話横の空いた机に移る
/resume前の会話の机に戻る(claude --continue でも再開できる)

埋まり具合を見る

/context と打つと、机の使い方が色つきの表で出ます。デスクトップアプリなら、入力欄の近くに % が出ます。

以前の勉強会で「CLAUDE.md を短くする」ことも圧縮と呼びましたが、今日お話しするのは会話の圧縮のことです。

圧縮とは机の上をまとめメモ1枚に置き換えること
図解 01圧縮とは、机の上をまとめメモ1枚に置き換えること。細かい所は消えます。クリックで拡大
第2章わかる

要約で落ちるもの

圧縮のまとめメモは Claude Code 自身が作ります。全部が消えるわけではありません。ファイル名や頼んだことの一覧はかなり残りますし、プロジェクト直下の CLAUDE.md は圧縮の後に読み直されます(公式)。

でも、会話の中だけで伝えたことは消えることがあります。公式も「残したい指示は CLAUDE.md に」と案内しています。

要約の側に無かったもの

園長が実際の要約と引き継ぎ書を見比べて、要約には残っていなかったものです。例は架空の案件(ブログ記事10本を書いて公開する仕事)に置き換えています。

落ちたもの架空の案件だと…
1 決めた理由「1本2,000字」は残るが、「スマホで読み切れる長さだから」が消える。次に長さを調整する時、判断の軸が無い
2 数字の決めごと「記事10本」か「10本以上」か、公開済みを「3本」と書くか。表記を決めた経緯が消え、次の記事で数字がぶれる
3 好みと禁止語「専門用語は1行で言い換える」「上から目線にしない」が消え、トーンが元に戻る
4 やらない条件「OK が出るまで公開しない」が消え、下書きを勝手に公開する事故の芽になる
5 やり残しの数9件の依頼のうち何件を反映したか、確かめようがない

圧縮後の AI は、まとめメモだけを渡された初日のアルバイトです。だから、作業の続きを書いた引き継ぎ書を渡します。

「90%まで来たら引き継ぎ書を作って新しい会話へ」

もうやっている方、そのやり方は正しいです。残る穴は2つだけ。①作るタイミングを人が覚えていないといけない ②自動圧縮は予告なくやってくる。園長の仕組みはこの2つを埋めました。

要約で落ちる5つのもの
図解 02要約メモで落ちやすい5つのもの。引き継ぎ書はこれを残します。クリックで拡大
第3章わかる

仕組みの全体像

園長の仕組みは「ルール・手順書・自動の仕掛け」の3点セットでできています。

3点セット正体役目
ルール全体の CLAUDE.md の1節AI に「こういう時は引き継ぎ書を書く」と約束させる
手順書スキル書き方の型と手順
自動の仕掛けフック5本決まったタイミングで必ず動く

ルールだけだと、AI は忘れたり後回しにしたりします。だから見張りで"書き忘れにくい"仕組みにしています。

5つの箱(第2回資料の4つの箱+引き継ぎ書)

箱誰が書くいつ読まれる何を入れる
CLAUDE.md人が指示して書く毎回いつでも守ること
スキル手順書その作業の時決まった作業の手順
メモリAI が自分で書く同じフォルダの次の会話でも作業中の気づき
フック機械決まったタイミングで必ず機械的な記録やチェック
引き継ぎ書今日の主役AI が書く圧縮・再開の直後に、その会話だけその会話の続きをするための全部

メモリは"そのフォルダの仕事"の気づき、引き継ぎ書は"その会話"の続きです。

3つの層+2つの見張り

層 ①

抜き書き

機械が、生ログから人間の発話の原文(AI の作業中に送った発言も含めて)・使った道具・触ったファイル・出てきたURLを抜き出します。AI を使わないので、言い回しが変わりません。圧縮の直前に自動で保存します。

層 ②

引き継ぎ書

AI が書く10節の文書です。節目ごとに書き直します。

層 ③

表紙の差し込み

圧縮・再開の直後に、その会話の引き継ぎ書の §0 と §8 の抜粋+直近の発話を、最大約9,400字で差し込みます。「全文を読んでから答えて」と指示します。

見張り

催促

話しかけた時、引き継ぎ書が古ければ「書き直して」を1行差し込みます。

見張り

ストップ

AI が返事を終える時、節目の後なのに書き直していなければ待ったをかけます。1回の返事で1回だけです。

フックが動く5つのタイミング

いつ何をする
圧縮の直前PreCompact抜き書きを保存する
圧縮の直後PostCompactClaude Code 自身の要約を、控えとして保存する(何が落ちたかを後で確かめる用)
圧縮・再開の直後SessionStart表紙を差し込む
話しかけた時UserPromptSubmit引き継ぎ書が古ければ催促する
AI が返事を終える時Stop節目の後なら、書き直すまで待ったをかける
3つの層と2つの見張り
図解 033つの層と2つの見張り。ルール(CLAUDE.md)と手順書(/handoff)が支えます。表紙は圧縮と再開の直後に差し込まれます。クリックで拡大
第4章わかる

圧縮の瞬間

圧縮の前後で、裏では3段階のことが起きています。

  1. 1

    ふだん

    AI は節目ごとに、引き継ぎ書を書き直しておきます。

    話しかけた時に引き継ぎ書が古ければ催促が、返事を終える時に節目の後ならストップが働きます。

  2. 2

    圧縮

    直前に、フックが抜き書き(会話の原文)を自動で保存します。Claude Code が会話を要約して、まとめメモ1枚にします。

    直後に、その要約の控えも保存されます。

  3. 3

    復帰

    その会話の表紙(引き継ぎ書の §0 と §8 の抜粋+直近の発話)が差し込まれ、「全文を読んでから答えて」と指示されます。

    AI は引き継ぎ書を全部読み、抜き書きは新しい所(末尾)から必要な分だけ読んでから、続きに戻ります。

なぜ「ふだん」から書くのか

圧縮直前のフックは、圧縮を止めることはできても、AI に引き継ぎ書を書く時間を与えられません。だから引き継ぎ書は、節目のたびに先に書いておきます。園長がいきなり /compact を打っても続きから戻りやすいのは、このためです。

実寸で見ると

約92万 → 約1.5万 トークン圧縮で縮む量(実測)。圧縮そのものは2〜5分ほどかかり(園長の記録。導入後の2回は約2分)、その間は待ちます
約32万 字長い会話の抜き書き。フックが差し込めるのは1回1万字までなので、全部は入りません
約9,400 字までだから表紙だけを差し込みます。AI は引き継ぎ書を全部読み、抜き書きは新しい所(末尾)から必要な分だけ読みます
画面には出ません

催促や表紙は AI だけが読みます。利用者に見えるのは、AI が引き継ぎ書を読んだり書き直したりする様子だけです。

/resume で前の会話を再開した時も、同じように表紙が差し込まれます。

ふだん・圧縮・復帰の3段
図解 04ふだん・圧縮・復帰の3段。節目の後は返事の前にストップがかかり、引き継ぎ書は節目ごとに最新になります。圧縮の後は続きから再開します。引き継ぎ書は節目のたびに書き直すよう促されます(毎回ではありません)。クリックで拡大
第5章見る

引き継ぎ書の中身

引き継ぎ書は、決まった10の節(見出し)でできています。

節書くこと
§0いま何をしていたか表紙に載る・毎回まるごと書き直す
§1全体像
§2決めたこと
§3好み・ルール(禁止語も)
§4成果物の場所
§5やり残し・待ち
§6落とし穴
§7原文で残す数字・URL・名前
§8次の一手表紙に載る・毎回まるごと書き直す
§9参照

書き方のルール

  • §0 と §8 は毎回まるごと書き直す(末尾に追記するだけは不可)
  • 推測で埋めない
  • 数字と URL は原文から写す
  • ユーザーの言い回しと禁止語を残す
  • 最後に、抜き書きの発話と照合する(「U-n 全N件中N件反映」)

置き場

引き継ぎ書は会話ごとに別ファイルです。作業場所の名前は、git の中ならリポジトリの名前になります。

# Mac
~/.claude/handoffs/<作業場所の名前>/<会話IDの先頭8桁>-latest.md

# Windows
C:\Users\<名前>\.claude\handoffs\<作業場所の名前>\<会話IDの先頭8桁>-latest.md
引き継ぎ書の10の節
図解 05引き継ぎ書の10の節。0 と 8 が表紙に載ります。クリックで拡大

見本を見てみる

中身は架空の案件です。形は本物と同じです。

引き継ぎ書(AI が書く10節の文書)

置き場の例: ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-latest.md

# 引き継ぎ書 — ブログ記事10本の下書きと公開(2026-09-27・session a1b2c3d4)

## 0. いま何をしていたか
- 記事10本のうち 01〜03 を公開済み(git push → 本番反映を curl で確認済み)。04〜07 は下書きまで完了、08〜10 は未着手。
- ユーザーの最後の発話(原文): 「04の見出し、もうちょい柔らかくして。"徹底解説"って言葉は使わんといて」
- 自分の最後の返答/約束: 「04 の見出しを3案出して、選んでもらってから差し替えます」→ まだ3案を出していない。
- 公開は「1本ずつ、ユーザーが OK と言ったものだけ」。04 はまだ OK が出ていない。

## 1. 案件の全体像
- 個人ブログ(静的サイト)に、初心者向けAI活用の記事を10本そろえる。ソースは ~/dev/my-blog/posts/*.md、公開は git push で自動デプロイ。
- このセッションの範囲: 2026-09-25〜。構成案(10本のタイトル一覧)はこのセッションで確定した。

## 2. 決定事項
- 2026-09-25 ユーザー: 1本 2,000〜2,500字。理由「スマホで読み切れる長さ」。
- 2026-09-26 ユーザー: 公開順は 01→10 の番号順ではなく「反応が取れそうなもの(03・01・02)から」。
- 2026-09-26 訂正: アイキャッチ画像は各記事1枚 → 旧「全記事で共通1枚」から変更(「一覧で見分けがつかん」)。

## 3. ユーザーの好み・作業ルール
- 言い回し: 「専門用語は出したら1行で言い換える」「上から目線にせんといて」。
- 禁止語: 「徹底解説」「完全ガイド」「誰でも簡単に」(言い換え例:「徹底解説」→「ここだけ押さえる」)。
- 公開前に必ずスマホ幅(375px)のスクショを見せる。

## 4. 成果物と置き場所
- 下書き: ~/dev/my-blog/posts/04-*.md 〜 07-*.md(未公開・未コミット)
- 公開済み: 01・02・03(main に push 済み。https://my-blog-example.pages.dev/posts/03/ ほか)
- タイトル一覧: ~/dev/my-blog/PLAN.md(10本の順番と状態の正本)

## 5. 未完・保留・待ち
- 04 の見出し3案 → ユーザーの選択待ち(出すのは自分。まだ出していない)。
- 05〜07: ユーザーの読み確認待ち。OK が出るまで公開しない。
- 08〜10: 未着手。着手条件=04 の見出しの方向が決まってから(トーンをそろえるため)。

## 6. 環境の落とし穴と回避策
- ビルドは `npm run build`。画像が 1MB を超えるとデプロイが失敗する → 事前に 1600px 幅へ縮小。
- 下書きに `draft: true` が残っていると公開しても一覧に出ない(03 で一度起きた)。

## 7. 原文で残す固有名詞・数値・URL・ID
- 10本/公開済み 3本/下書き 4本(04〜07)/未着手 3本(08〜10)
- 1本 2,000〜2,500字/スクショ幅 375px/画像上限 1MB
- https://my-blog-example.pages.dev/posts/01/ ・/02/ ・/03/

## 8. 次の一手
1. 04 の見出し3案を出す(禁止語チェック込み)→ 選んでもらう
2. 選ばれた方向に 05〜07 の見出しもそろえ、375px のスクショを見せる
3. OK が出た記事だけ `draft: false` → git push → curl で本番確認 → 本書 §0/§8 を書き直す
4. 08〜10 の下書きに着手

## 9. 参照
- 機械ダイジェスト: ~/.claude/handoffs/my-blog/a1b2c3d4-…-digest.md
- 記事の正本一覧: ~/dev/my-blog/PLAN.md

U-n 全9件中9件反映
第6章見る

失敗から育った

この仕組みは、最初から今の形だったわけではありません。2週間で何度も失敗し、そのたびに仕組みに焼き込んで育ちました。

コンパクトに任せると漏れが落ちる
園長(9月9日・この仕組みが生まれた日の一言)

日付は直した日です。

  1. 9/9
    起きたこと要約で、言い回し・数字・URL・保留の理由が消える
    直したこと誕生(抜き書き+引き継ぎ書+表紙の差し込み+催促)。同じ日にスキル化
  2. 9/14
    起きたこと同じフォルダの別の会話を再開したら、別の案件の引き継ぎ書が差し込まれた(1枚を皆で上書きしていた)
    直したこと会話ごとに別ファイル+持ち主の判定。他の会話の分は差し込まない
  3. 9/14
    起きたことWindows で圧縮前の保存が毎回失敗していた(パスの組み立てミス。誰も気づいていなかった)
    直したこと修正+「初回の圧縮後に記録を確認する」を手順に
  4. 9/16
    起きたこと催促のたびに末尾へ追記を13回重ね、「いま何を」が2日前のまま。再開時に古い状況が差し込まれた
    直したこと§0 と §8 は毎回まるごと書き直す
  5. 9/16
    起きたことコミット直後にいきなり /compact。引き継ぎ書がコミット前のまま圧縮された
    直したこと節目(コミット・デプロイ等)の後はすぐ催促。「状態を変えたら最後の返事の前に書き直す」をルールに
  6. 9/18
    起きたこと報告の後に書き直さず放置。数日後の次の発話で自動圧縮(9/17・Windows。抜き書きは保存されたが、引き継ぎ書が古かった)。催促は話しかけた時にしか出ないので間に合わなかった
    直したことストップの見張り(書き直すまで返事を終われない)
  7. 9/22
    起きたことサブフォルダに移ると、置き場が分かれた
    直したこと置き場の名前をリポジトリ名に固定

失敗したら、謝るより原因を仕組みに焼き込む。第2回でお話ししたことと同じです。

9/9から9/22までの失敗と直したこと
図解 069/9 から 9/22 までの失敗と、直したこと。クリックで拡大
第7章見る

いまの状態

2026年9月27日時点・園長の PC(Mac と Windows)の記録。枚数・会話の記録の数は Mac の分

配線済み15/15フック(自動の仕掛け)の配線フック5本 × 設定ファイル3つ(Mac 本体・Mac 用控え・Windows 用控え)。Windows の PC でも同じ仕組みが動いています
24枚引き継ぎ書会話ごとの最新版。9つの作業場所。うち15枚が10節そろったもの
約4,300字引き継ぎ書1枚中央値(真ん中の値)。最大は約1万1千字
3回とも保存3回本番の圧縮Mac で手動2回(9/9・9/22)、Windows で自動1回(9/17)。3回とも、圧縮の直前に抜き書きが保存された
92万→1.5万圧縮の縮み方(トークン)約92万トークンが約1.5万トークンに(9/9)。約88万→約1.3万(9/22)。まとめメモ1枚です
0.1秒前後フック1回の実行時間Claude Code が記録した起動込みの時間で、ふだん0.1秒前後(たまに1秒前後、まれに数秒)。スクリプト単体では0.06〜0.08秒で、いちばん長い会話の記録でも末尾だけを読むので速い

設定

項目園長の環境
自動圧縮の閾値80万トークン(机の大きさ100万トークンの80%)。未設定なら(机の大きさ100万トークンのモデルで)約96万7千トークン付近。
注意: 設定ファイルを直接書き換えた場合、開きっぱなしの会話には効かず、80万を超えても圧縮されなかった例が2件あります。変えるなら /autocompact 800k(今の会話にも効く)。設定後に新しく開いた会話で80万付近の自動圧縮が起きた記録は、まだありません。
会話の記録の保存期間365日(既定は30日)
催促の目安引き継ぎ書を書いた後に、AI の動作(返事や道具の使用の1回1回)が12回ほど進んだら(長めの依頼1回で届くこともあります)。節目(コミット・プッシュ・デプロイ・一時フォルダ以外への書き込み5回など)があれば、回数に関係なくすぐ
ストップの目安節目の後、または催促の目安の2倍(AI の動作で24回ほど)以上進んだ時。それ未満では止めない
圧縮にかかる時間2〜5分ほど(園長の記録。導入後の2回は 111秒・118秒)。その間は待つ

実際の働きぶり

仕掛け様子
ストップの「待った」9月の会話の書き出しで、Mac 約30回・Windows 約60回(概数)。多くは「まだ引き継ぎ書を書いていない会話で、コミットや書き込みをした時」
催促と表紙画面には出ず、AI だけが読む。利用者が気づくのは、AI が引き継ぎ書を書き直している様子だけ
読み方

圧縮はめったに起きていません。つまりこの仕組みはふだんは静かな保険です。それでも引き継ぎ書は会話ごとに書かれているので、再開や「前の続き」にそのまま使えます。

引き継ぎ書の枚数・会話の記録の数は Mac の分です(Windows の PC は記録が別にあります)。会話の記録は Mac に278本(手分けさせた子エージェントの記録を合わせて約3GB。6月10日以降)残っています。

いまの状態の数字
図解 07いまの状態の数字(2026年9月27日時点)。5本のフックのうち、見張りは催促とストップの2本。1枚の大きさは中央値(真ん中の値)で、10節すべてそろっているのは24枚中15枚です。引き継ぎ書は会話ごとに別ファイル(すべての会話にあるわけではありません)。(画像の「0.1秒以下」はスクリプト単体の時間。起動込みではふだん0.1秒前後。「本番の圧縮 3回」は Mac 2回・Windows 1回)クリックで拡大

オートコンパクトだけと比べると

オートコンパクト(自動圧縮)も、自分で打つ /compact も、会話を要約に置き換える点は同じです。この仕組みは、その要約を置き換えるものではなく、足すものです。足すとどれくらい違うのか、園長の本物の圧縮2回(どちらも /compact)で数えました。

圧縮の前の会話から「続きの作業に必要な事実」を先に選び(1回目40件・2回目37件)、要約と、引き継ぎ書+抜き書きのそれぞれに正確に残っていたかを数えました。

回要約だけ引き継ぎ書+抜き書き(ファイルに残った数)
1回目22/4040/40
2回目26/3734/37

正確に残った割合は、要約だけで55〜70%、引き継ぎ書+抜き書きで92〜100%でした。圧縮のあと AI が実際に読んだ分で数えると、1回目は 38/40(要約だけなら 22/40)、2回目は 27/37(要約だけとほぼ同じ)でした(2回目に差が出なかった理由は下の「正直なところ」)。

オートコンパクトだけと比べた数字:要約だけ22/40・26/37、引き継ぎ書+抜き書き40/40・34/37
図解 10本物の圧縮2回で数えた、続きに要る事実の残り方(数字はファイルに残った数)。効くのは引き継ぎ書が新しい時です。クリックで拡大

要約から落ちやすいものは、決めた理由・数字・訂正の経緯(旧→新)・やらない条件(保留の条件)です。1回目は、理由つきの決定は9件中2件、訂正は5件中0件しか要約に残っていませんでした。

実例(仕組みを入れる前の出来事)

自動圧縮の11分前に「あなた自身でブラウザ操作でお願いします」と頼んでいたのに、要約では別の話に書き換わっていました。AI は別の場所に書いてしまい、翌朝やり直しになりました。

正直なところ
  • 2回目は、圧縮のあとに AI が実際に読んだ分で比べると差が出ませんでした。途中で別の案件に切り替えて、前の案件の引き継ぎ書が案内されなかったためです(この穴は9月27日に直し、キットにも入れました)。効くのは、引き継ぎ書が会話の最初から最後までを覆っている時です。
  • 比べたのは、仕組みを作った同じ会話での手動圧縮2回だけで、引き継ぎ書が新しい有利な条件でした。1回目は、数える事実を抜き書きから選んだので、右の列が甘めに出ています。
  • 圧縮する直前の「いまの状態」は、要約の方が正確です(圧縮の瞬間に作られるため)。だから、要約と引き継ぎ書の二段構えにします。
  • 圧縮直後の手戻り(言い直し)は、仕組みを入れる前が15回中1回、入れた後が3回中0回。回数が少ないので「必ず効く」とは言えません。
  • 引き継ぎ書を書き直す分の使用量がかかります(書き直すたびに会話を読み直す分。園長の記録では全体の約1割、長い会話では15%前後)。

要約は「いまの状態」に強く、引き継ぎ書は「なぜ・どこまで・やらないこと」に強い。両方あるのがいちばん強い形です。

圧縮のとき以外にも効く

圧縮が起きるのはまれです(仕組みを入れてからの本番の圧縮は、Mac で2回・Windows で1回の計3回)。引き継ぎ書は節目ごとに書かれるので、圧縮が無くても次の場面で使えます。

  • 何日か空けて再開した時。/resume でも表紙が差し込まれます(園長の1例では、5日後の再開も手戻りなしで続きました)
  • 新しい会話で続きをする時。キットなら「前の続きから」と言います
  • いまの状況を確かめたい時。引き継ぎ書を開けば、今の状態と次の一手が分かります
  • 同じフォルダで会話を並行している時。会話ごとにファイルが分かれています
  • アプリが落ちた・閉じた時。ファイルなので残ります

PC の間では同期されません(引き継ぎ書は ~/.claude の中にあるため)。

第8章入れる

一言で導入キット

ここまでの仕組みを、ZIP を1つダウンロードして Claude Code に一言貼るだけで導入できるようにしました。名前は引き継ぎ書キットです。

  1. 1

    ZIP をダウンロード

    上のボタンから handoff-kit.zip を保存します。

  2. 2

    Claude Code に一言貼る

    下の一言をコピーして、Claude Code にそのまま貼ります。

    Claude Code に貼る一言(1字も変えずに)

    ダウンロードした handoff-kit.zip を展開して、INSTALL.md のとおりに導入して

  3. 3

    Claude Code を一度終了して開き直す

    開き直すと、フック(自動の仕掛け)が動き始めます。

途中で起きること

  • AI が中の説明書を読み、変更点を見せて「入れてよいか」を1回だけ聞きます
  • コマンドの実行許可を求められたら、許可します
  • Node.js が無ければ、AI が入れ方を案内して止まります
  • Node.js を入れたら、Claude Code を開き直して同じ一言をもう一度貼ります
  • 設定ファイルが読めない・別の引き継ぎの仕組みがすでに入っている時は、何も変わっていません。無理に入れさせず、その画面を Discord に貼ってください
  • 「自己テストが FAIL」と出た時は入った状態です。「handoff-kit を外して」と言えば元に戻せます

変わるのは4か所

全部 ~/.claude/(Windows は C:\Users\<名前>\.claude\)の中です。

場所何が入る
本体フォルダhandoff-kit/
スキル/handoff(引き継ぎ書の書き方の手順書)
settings.jsonフック5本。入れる前に控え(バックアップ)を自動で作ります。ほかの設定はそのまま
全体用の CLAUDE.md~/.claude/CLAUDE.md の末尾に1節。目印つきで、外す時はその節だけ消えます。プロジェクトの CLAUDE.md は触りません

すでに自分の /handoff を作っている人は、ぶつからないよう /handoff-kit という名前で入ります(導入の最後に AI が伝えます)。その場合は /handoff-kit check のように読み替えてください。

自動圧縮の閾値など、ほかの設定は変えません。変えたい場合は、/autocompact 800k のように自分で入力します。

必要なもの

  • Claude Code(デスクトップアプリでも、ターミナルでも)
  • Node.js 18 以上(無ければ AI が入れ方を案内して止まります)
  • Mac または Windows

入ったかの確認

導入した会話の中で、AI が自己テスト(PASS)まで確かめます。開き直した後に気になる時だけ、新しく始まった会話で /handoff check を1回。過去の長い会話を開き直して確かめるのはやめてください(開き直すだけで使用量を大きく使います)。

開き直し方: デスクトップアプリは、いったん終了して起動し直します。ターミナルは /exit してから claude で起動します。

確認の一言

/handoff check

確認は1回だけ。気になる時だけ、新しく始まった会話で1回。過去の長い会話を開き直して確かめるのはやめてください。

外したくなったら

Claude Code に一言「handoff-kit を外して」と伝えます。書きためた引き継ぎ書は消えません。

外す時の一言

handoff-kit を外して

中身(AI が実行するコマンド)

node ~/.claude/handoff-kit/install.mjs --uninstall

園長の仕組みとの違い(初心者向けの調整)

まだ引き継ぎ書が1枚も無い会話では、コミットや書き込みだけでは止めません。AI の動作(返事や道具の使用)が24回ほどを超えたら、最初の引き継ぎ書を書かせます(長めの依頼1回で届くこともあります)。ストップが多いと感じたら、ストップだけ外して入れ直せます(--without-stop)。

正直に書いておくこと

動作確認は Mac の空の環境で行いました。園長の Windows では元の仕組みが動いています。会員向けのキット版は、Windows 実機ではまだ試していません(Git Bash のある環境を主に想定)。うまくいかない時は Discord でお知らせください。

引き継ぎ書を書き直すたびに、AI が会話を読み直して書く分の使用量がかかります(園長の記録では全体の約1割)。Claude.ai のチャットや Codex には、このキットは入りません(Claude Code 専用)。

一言で導入する3ステップ
図解 08一言で導入する3ステップと、変わる4か所。クリックで拡大
第9章入れる

使い方のコツ

導入した後は、ふだんは何もしなくて大丈夫です。

こんな時は、一言

言うことAI がしてくれること
「引き継ぎ書を更新して」今の状態に書き直してくれる(/handoff でも同じ。コミットやデプロイの後は、AI が自分から書きます)
「圧縮したい」引き継ぎ書を更新して、貼る1行(/compact …)を出してくれる(/handoff compact でも同じ)
「前の続きから」同じ作業場所の引き継ぎ書の候補を出してくれる(/handoff pickup でも同じ)
「引き継ぎの状態を見て」状態を3〜5行で教えてくれる(/handoff check でも同じ)

気をつけること

区切りのいい所で新しい会話へ

圧縮で延命し続けないようにします。新しい会話では「前の続きから」と言えば、前の会話の引き継ぎ書から再開できます。

他の会話の引き継ぎ書で埋めない

AI にもそう約束させてあります。

確認は1回だけ

過去の長い会話を開き直して確かめないでください。

書き直す分の使用量がかかる(約1割)

引き継ぎ書を書き直すたびに、AI が会話を読み直して書くので、その分の使用量がかかります(園長の記録で全体の約1割)。

使い方のコツと気をつけること
図解 09使い方のコツと、気をつけること4つ。クリックで拡大

よくある質問

1Claude.ai のチャットや Codex でも使えますか?

いいえ。Claude Code 専用です。Claude.ai のチャットや Codex には、このキットは入りません。

2自分の CLAUDE.md や設定が壊れませんか?

入れる前に控えを取り、キットの分は目印で区切って入れます。外すと、その分だけ消えます。

3使用量はどのくらい増えますか?

書き直すたびに、AI はそれまでの会話を読み直してから引き継ぎ書(1枚の真ん中の値で約4,300字)を書くので、その分の使用量がかかります。園長の記録では、全体の約1割でした(数え方で9〜14%ほど。コミットやデプロイを何度もする長い会話では15%前後になることもあります。サブエージェントの分は数えていません)。

4同じフォルダで会話を2つ開いたら、混ざりませんか?

引き継ぎ書は会話ごとに別ファイルで、差し込まれるのはその会話の分だけです。

5もう自分で引き継ぎ書を作っています

そのやり方は続けて大丈夫です。キットは「作るタイミング」と「圧縮の直後に渡す」動作を自動化します。

6自動で圧縮される前に、早めに圧縮させたい

/context で机の大きさを見て、その8割くらいを /autocompact で指定します(例: 100万なら /autocompact 800k)。今の会話と、これから開く会話の両方に効きます。Claude Code が古いと使えません(v2.1.221 以降)。キットは変えません。

7「待った」が多くて気になる

ストップだけ外して入れ直せます。Claude Code に「handoff-kit をストップなしで入れ直して」と言ってください。

8ダウンロードしたら、ZIP ではなくフォルダになっていた

Safari などは自動で展開することがあります。その時は、ダウンロードフォルダの handoff-kit フォルダを Claude Code の入力欄にドラッグして「このフォルダの INSTALL.md のとおりに導入して」と送信すれば大丈夫です。

9引き継ぎ書を書くせいで、作業に時間がかかりませんか?

少しだけ増えます。園長の Mac の記録(9月9日〜27日・引き継ぎ書を書いた43の会話・約48時間の作業)で数えると、書き直しにかかった時間は作業時間の4〜5%ほどでした(数え方で3.4〜5.2%)。1回は真ん中の値で20秒ほど、9割が1分以内、長くても3分ほどです。コミットやデプロイを何度もする長い会話では、1割前後になることもあります。キットは初心者向けに止める回数を減らしてあるので、この割合はもう少し低くなるはずです(まだ測っていません)。

見張りの仕掛けそのものは、ふだん0.1秒前後です(たまに1秒前後、まれに数秒)。

時間より気にしたいのは使用量です(上の3番)。「待った」で止まるのが気になる時は、上の7番のとおりストップだけ外せます(書き直し自体は、節目ごとに続きます)。

宿題

印はこのブラウザにだけ保存されます。

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今日のまとめ

  1. 1要約は、忘れる。
  2. 2だから、原文は機械が残し、続きは AI が書き、圧縮の直後に自動で渡す。
  3. 3机がいっぱいになっても、仕事は途切れにくい。

出典(公式ドキュメント・2026年9月27日時点で確認)

数字は園長の PC(Mac と Windows)の記録(2026年9月27日時点)。枚数・会話の記録の数は Mac の分。